導入事例 No.004

「TATSUNO Lab(タツノラボ)」が加速するワンストップ環境ソリューション

株式会社タツノ 環境事業部 様



ユーザー様について

株式会社タツノ様は、世界3大ガソリン計量機メーカーのひとつ。
大正8年に初めてガソリン計量機の製造販売に着手して以来、国内シェアは常に60%を越え、現在では79か所のメンテナンス拠点を擁しています。海外においても、東南アジアを中心に80か国以上にグローバル展開を図っています。
国内初のガソリンサービスステーション向けPOSシステムや地下タンク在庫管理用油面計、油槽所関連機器など独創的な製品を次々と送り出してきました。
ガソリンスタンドの設計施工から、出来た後のメンテナンス、ガソリンスタンドを閉鎖する際の土壌調査や解体工事に至るまでのワンストップサービスが最大の強みです。
今回訪れた環境事業部様は、長年にわたって蓄積された経験と技術を活かした、ガソリンスタンド跡地の調査、試料の分析および浄化修復のプロフェッショナルです。

取材の経緯

土壌環境基準や土対法に基づく重金属などの抽出操作に適合した、当社の強力振とう機 溶出試験振とう機「TS-20」が、タツノ 環境事業部様の最新鋭のラボに導入されたことを知り、どのように貢献させて頂いているかを是非とも拝見したく、取材をお願い致しました。取材においては、タツノ 環境事業部様が普段から受け入れている「ラボ見学」も同時に体験させて頂くことができました。

インタビューに答えてくださった方

環境事業部 土壌環境課・環境分析課 課長 木村 武 様
環境事業部 環境分析課 係長 山崎 敬道 様
環境事業部 土壌環境課 係長 小松 悠 様


「TATSUNO Lab(タツノラボ)」は環境試験のイメージを覆す「魅せるラボ」

驚きの瞬間は最初から訪れました。

横浜市鶴見区市場西中町、東海道本線と横須賀線が交わるあたりの線路沿い、2016年9月に竣工したばかりの真新しい建物の玄関のドアをくぐると、まるでショーウィンドウのような全面ガラス張りの向こう一面に約600m2の、白を基調とした清潔なラボが広がっていました。


 

その明るい雰囲気は従来的な土壌分析の現場のイメージを覆し、あたかも半導体製造ラインのクリーンルームの様です。

「エネルギー供給ネットワークのインフラ企業として、将来を見据えて環境に配慮した整備を展開するのは責務といえます。土壌・水質分析に対応したこの『タツノラボ』は環境事業に対する当社の意気込みの現れといえるでしょう。」と木村様。

『タツノラボ』を設計した山崎様の案内でラボの見学コースを巡って行きます。

7つに分けられた各部屋の壁にも大きなガラスが使用されており、最新の分析装置の数々はもとより、分析作業にあたる社員の方々の動作も子細に見ることができます。

通路の天井にはおびただしい数の金属製のキャピラリ(細い管)が整然と配管されています。「これは測定装置にガスを供給するためのもので『継手』が一切ありません。全て室内で溶接をして連結してあります。ガス漏れ対策のひとつです。」

 

①無機前処理室

鉄、鉛等の重金属類や無機物質を測定するために必要な処理をします。

●紫外可視分光光度計

●pH計

●蒸留装置

●ドラフトチャンバー

②無機機器室

無機前処理室で前処理した検体の測定をします。各機器の詳細を部屋設置のタブレットで見ることが出来ます。

●ICP質量分析計(ICP-MS)

●ICP発光分光分析計(ICP-OES)

●原子吸光光度計

●オートアナライザー

●全自動還元気化水銀計

③有機前処理室

油分(TPH)や農薬等(有機物質)を測定するために必要な処理をします。

●エバボレーター

●ドラフトチャンバー

④有機機器室

有機前処理室で前処理した検体の測定をします。各機器の詳細を部屋設置のタブレットで見ることが出来ます。

●ガスクロマトグラフ質量分析(GC-MS)

●ガスクロマトグラフ(GC)

●液体クロマトグラフ(LC)

●イヤトロスキャン

●蛍光光度計

●水分計

⑤VOC前処理室

ベンゼン、テトラクロロエチレン等の揮発性有機化合物(VOC)を測定するために必要な処理をします。

●6連マグネチックスターラー

タイテックの5連マグネチックスターラーも選定に上ったとのことですが、架け数が少なかったために漏れてしまったとのこと。 

⑥VOC機器室

VOC前処理室で前処理した検体を測定します。各機器の詳細を部屋設置のタブレットで見ることが出来ます。

●ガスクロマトグラフ質量分析(GC-MS)

●ガスクロマトグラフ(ポータブルGC:必要に応じて調査現場へ持ち出して測定が出来るガスクロ)

⑦事務室

土壌・地下水試料の受付及び分析後に濃度計量証明書の作成をします。

⑧土壌風乾室

重金属類(無機物質)、農薬等(有機物質)分析用土壌の乾燥、前処理及び振とう機による抽出作業をします。

●強力振とう機(タイテックのTS-20が3台)

 

⑨拡張実験室(体験コーナー)

将来の事業拡大に備えた実験スペースです。現在は体験コーナーになっており、土壌汚染調査のしくみを動画で見たり、各種キットを使った実験結果をクイズ形式で楽しみながら学ぶことが出来ます。

 

 

タイテックの振とう機を選定した理由

「選定の決め手は、やはりアフターサービス体制が優れているという点ですね。
実は機種選定の初期には、タイテックさん以外にもう一社の製品が候補に挙がっていたんです。どちらを選定するか考えていると、当社の出入り業者であるアルテア技研さんからのアドバイスがありました。

競合メーカーは、重い振とう機を木箱で送ってきて、設置も当社でやらなくてはなりません。故障の場合も木箱に詰めて送り返す必要があるとのこと。その点タイテックさんは納品と設置もしっかりやってくれて、頼めばすぐにメンテナンスに訪れてくれます。これは非常にありがたいことです。」

インタビューに同席した弊社サービスマンの大隈の笑顔が印象的です。

「ただし、TS-20の容器抑え棒はもう少し固定がしやすいと助かります。ネジを回して固定する部分が緩む場合があるのですけど、それが改善されれば更に良くなると思いますよ。」

山崎様からはしっかりと改善の種も頂くことが出来ました。

汚染を防ぐこと、汚染を浄化することも株式会社タツノ様の強み

優れた分析施設をお持ちの株式会社タツノ様。しかし、分析調査の前後工程である「汚染を未然に防ぐこと」と「汚染されてしまった土壌を浄化すること」も同様に優れた技術をお持ちです。これこそが「ワンストップサービス」として環境事業の強みを形成しています。

「ガソリンスタンドの地下に埋設されているタンクは、スチール(鉄)を電位差腐食等の外的要因から保護するためアスファルトでコーティングしたものが長らく用いられてきました。このタイプのタンクは内的要因で鉄が腐食してガソリンが漏れるとアスファルトが溶けてくると穴が開き、これがガソリンスタンドにおける土壌汚染の大きな原因となっていました。

当社ではスチール製の内殻を腐食に強いFRP(強化プラスチック)で覆うものや、FRPの内殻に空隙を設けてさらにFRPの外殻で覆うタイプも開発しました。」

「見つかった汚染を浄化する手法としては、好気性の微生物によって油分を分解する『バイオレメディエーション方式』や、浄化溶液を土壌・地下水に注入して化学反応で汚染物質を分解・浄化する『フェントン浄化方式』など、お客様のニーズに(コストと時間)に応じた方法を選択することができます。」

「昨年はエクアドルのガソリンスタンドにも当社の技術を提供しました。
驚くことに、技術を提供したエクアドルのガソリンスタンドは日本で流行っているガソリンスタンドと比較しても20倍ぐらいの販売量があります。という事は汚染の可能性も20倍という事です。これからはこのような事例が益々増えていくでしょう。」

今までで一番エキサイティングだった瞬間

「エキサイティングとは少し違うのかもしれませんが…」と木村様。

「あるお客様からの依頼により、ガソリンスタンド跡地の土壌・地下水浄化をしたときの話です。現地を管轄する自治体からの指示で、浄化した地下水を下水に放流する際は、事前に当該地の地下水を排水基準における全項目を調査するようにと指示がありました。
通常ガソリンスタンド跡地において想定される汚染物質は、ベンゼン、鉛及びその化合物なので、かなり厳密な調査要求と言えます。」

「緊急を要していたので、当社の分析室に持ち帰る時間的なロスを考慮して、現地から一番近い分析業者さんに分析を依頼しました。」

「しかし、上がってきた分析結果を見て驚きました。そこには本来検出されるはずの無い『1,2-ジクロロエタン』が基準を超過しているというデータが示されていたからです。」

「もともと存在するはずのない汚染物質がそこに存在したとなれば、お客様の土地だけに留まらず、その周辺の土地にまで汚染の疑いが及ぶ大事態です。当然、お客様からは厳しく究明を求められました。本当にリスクを背負った瞬間でした。」

「お客様の為にも、真実を突き止めなくてはなりません。もう一度当社内で分析を試みることになりました。
すると、先の分析とは全く違う結果、すなわち『1,2-ジクロロエタン』は基準値以下であるという結果が出たのです。そのデータを示すことで、お役所に対して何故『1,2-ジクロロエタン』が検出されたのかをきちんと説明し、最終的には汚染が無いことを立証することが出来ました。」

山崎様があとを続けます。

GCMSでの測定において『1,2-ジクロロエタン』は『ベンゼン』と分離しにくい物質なのです。

完全に分離しなくても通常は無視できるレベルですが、本件では、『ベンゼン』自体の濃度が非常に高かったために、あたかも基準値以上の『1,2-ジクロロエタン』が存在するかのように見えてしまったと思います。

油汚染の試料を普段から多く取り扱っていますので、こういった油による妨害は常に気をつけて分析を実施しています。

妨害物の影響をしっかり考えながら分析をしないといけないと再確認した事例でした。

「日常のリスクアセスメントが出来ていたからこそ、解決できたのだと思います。」と木村様。当時のことを振り返ってお話しされる表情を拝見していると、本当にシビアな状況であったことが窺えました。


あとがき

私たちが日常的に利用しているガソリンスタンド。電気・水道・ガスと並んで日常生活に不可欠なインフラの背景にはそれを支え続ける大きな力があることを、今回初めて知ることができました。

お忙しい中、見学と取材に応じて頂いた木村課長、山崎係長、小松係長には厚く御礼を申し上げます。誠にありがとうございました。


記事中に登場する製品

強力振とう機 溶出試験振とう機 TS-20


土壌環境基準や土対法に基づく重金属等の抽出操作に適合。ポリ瓶処理量重視の大容量タイプ。
■振とう方式:往復振とう ■振とう速度:25~200r/min

自公転式スターラー 揮発性物質溶出用自公転スターラー GR-5


土壌環境基準や土対法に基づく揮発性物質の抽出操作に適合。撹拌子の逸脱を復帰できる自公転式。
■回転数:100~1200r/min ■適用容器/架数:三角フラスコなら500mlまで(5本まで)

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