高温タイプの恒温振とう培養機を用いたプラスチック材料の溶解試験
アプリケーションデータの概要
様々な目的や理由から、プラスチック材料の溶解試験が行われている。例えば、溶剤溶解性の確認といったものから、溶解することでフィルム状に再加工したり塗布剤にしたりするための製法の研究開発、未知のプラスチック材料の識別(同定)等である。識別するためには、プラスチックは通常、ポリマーと副資材(有機・無機の各種添加剤)の複合材料となっているため、ポリマー成分を分離する必要がある。固体のプラスチック材料からのポリマー成分の分離には、一般的に有機溶剤が用いられる。即ち、溶解・抽出・再沈殿・濾過・遠心分離といった作業を行うことになる。
プラスチック材料の溶解試験は室温で静置する方法もあるが、+80℃または+100℃といった加温と撹拌を行う方法ではホットプレートスターラーを利用することが多い。しかしタイテックの〈恒温振とう培養機 バイオシェーカー® BR-43FH〉はエアバスながら+100℃までの温度調節が可能なため、高温での溶解試験にも適用し得る。恒温振とう機を用いる溶解作業上の利点は、加熱部が露出しているホットプレートスターラーよりも装置構造上安全かつ温度調節の精度や再現性に優れ、装置1台で多検体同時処理が容易なことにある。また、撹拌子を溶剤中に入れずに済むことも作業性を向上させるであろう。
本紙ではこの恒温振とう機を用いて、ポリカーボネート(PC)のペレット状サンプルを+100℃下でジメチルホルムアミド(DMF)に溶解した事例を紹介する。本事例では、約1gのPCが25mlのDMFに15分程度で完全溶解している。
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